制御の基本
リレーについて

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ここは、とある工場。自動制御でラインが動いています。制御をしているのは何かというとプログラマブルロジックコントローラ(PLC)なんです。では、そのPLCって一体何でしょう?

もともとは、制御の世界では「リレー」を使って制御回路が組まれていました。「なぜ?」という疑問が生じます。CPUというものじゃないんですよね。リレーでどうして複雑な制御ができるか、これから学んでいきたいと思います。
リレー


「リレー」の構造を考えてみましょう
まずは、わかり易くアレンジした大ざっぱな図を見てください。

リレーの内部は、切り替えスイッチの部分(緑の点線内)と、電磁石の部分(ピンクの点線内)によって構成されています。

スイッチ部分の中心に可動接点があり、普段はバネによってBのほうにつながっています。ここのコイルに電流を流すことによって、電磁石となり可動接点を引っ張って接点がAのほうへ切り替わります。


「リレー」の動作を検証してみましょう
コイルに電流が流れていない状態では、見た通り「C:コモン」と「B:常時閉」の接点がつながっています。
コイルに電流が流れると、電磁石の力で、可動接点が動き、「C:コモン」と「A:常時開」の接点がつながります。
まとめると・・・

(1)C−A間 「C:コモン」と「A:常時開」を使った場合「A接点」(make接点)
(2)C−B間 「C:コモン」と「B:常時閉」を使った場合「B接点」(break接点)

と、表現します。つまり・・・

普段開いているのがA接点、普段閉じているのがB接点 です


「リレー」で、何ができるか考えましょう
外部の信号(電源)を、ON/OFFできる 中の接点を動かすだけの小さな電流で、大きな電流を制御できる。例えば、車のホーンやライトなどはリレーを介して動作させています。
ON/OFFを反転できる 電流が流れたら接点をOFFにする動作。B接点を使うことによって、ON/OFFの動作を反転することができます。
一度に何回路かをON/OFFできる リレーの中には1・2・4回路内蔵のものがある。1つの信号で同時に何回路かをON/OFFできます。さらにリレーを並列につなげて、それ以上にすることも可能です。
自己保持で、ON状態を維持できる これが結構重要だとおもいます。後でじっくりと解説していきます。


マイナス面も一応考えておきましょう
電源が必要 電源がなければ動作できません。
動作音がする 切り替わるときに「カチッ」と音がします。動作がわかりやすくて良いのですが、たくさんあるとうるさいかも。大型のリレーが動作するときは「バン!」って感じです。
寿命がある 使い方と使用頻度によりますが、機械ですから当然寿命はあります。寿命数値はカタログ等に記載されています。
コイル特有の性質 コイルに電流を流したときに「逆起電力」が発生します。リレーをトランジスタ等で駆動する場合に注意が必要です。リレーだけで制御回路を組むときには考えていませんでしたが・・・


実は「リレー」に親戚が存在するのです
名前は「タイマー」です。リレーより背が高くて、頭に帽子(時間調節つまみ)が有ります。「タイマー」の要点をまとめてみました
1 接点の機構はリレーと同じだけど、コイルに電流を流したまま設定時間に達しないと接点は切り替わらない。
タイマー
2 コイルの電流が切れるとリセットされる。
3 上部のツマミを回してONになるまでの時間調整が可能。(設定時間以内の範囲で無段階)
4 最大設定可能時間は1秒・10秒・1分・・・等、多くの種類があるので、使用する用途に合わせて選定する



次は「入出力にかかわる仲間たち」について学んでいきます