「電子おみくじ」の製作
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みなさんこんにちは。見習い講師の里枝です。今回は、「電子おみくじ」を製作しちゃいます。
名前から想像できる通り、その物ズバリです。さあ 自分の運命を占ってみましょう。
でも、ただのバラエティーグッズですから、結果に関しては責任を持ちませんので予めご了承ください。
今回もスマートに、「連枝」(シーケンス回路)で作るところに、とっても意義があります。


また何でおみくじなのって…

 浮き沈みの多い年末年始を過ごす中で思いついた企画って言われればそうなんですけど、やっぱり色んな出来事があると「自分の運って一体…」って思っちゃったりして。そんなときにちょっといかがでしょうか?


まずは基本設計

さらっと流したところで基本設計行きましょう。今回は「入れ物」までこだわって製作します。仕事の都合により、週刊○○みたいに「今週はセンサーの組み立てだけ」みたいな製作スケジュールなので中々進みませんけど、順次発表していきたいと思います、興味のある諸君は首を長〜くしてお付き合いください。まずは「おみくじ」って言うからには、私的に次の定義を考えてみました。

1.入れ物は六角形であること
2.本体を傾けると棒が出てきて、結果がわかる
3.持ち運びが可能であること

その条件を叶えるには、手っ取り早く「コ○ラのマーチ」の空き箱に、結果を記した割り箸や竹串を入れれば出来ちゃいますけど、それじゃここで取り上げる訳にはいかないですよね。ということで、「電子おみくじ」の製作につながっていくんですよ。ということで、電子おみくじの定義は次のように決めて製作開始します。

1.おみくじの定番「の六角柱の外観」とし、アクリル板で製作する
2.棒は出てきますが、結果は電子的に表示させる
3.電池駆動にし、電源スイッチを工夫する

ハードの構成について、概要が決まりましたので、次はシーケンス回路の設計に入っていきます。
まず、基本となる乱数発生ルーチンですが、手っ取り早く完成させるために、連枝のサンプルプログラム中にある4ビットカウンタを流用した回路が元になっています。それにON−OFFを繰り返す回路でパルスを供給し、激しい勢いでカウントをさせます。

このカウンタはずっと動いていますが、おみくじの棒が容器から出たタイミングでカウンタを停止させて結果を確定させます。4ビットカウンタですからそこから出てくる0〜15の結果からLEDを表示させます。結果は大吉・吉・中吉・小吉・末吉・凶の6種類ありますが、回路の変更で結果の表示確率を変えちゃうことができるんですよ。
※一応参考として、初期状態における理論上およその確率:大吉(12%)・吉(25%)・中吉(19%)・小吉(19%)・末吉(19%)・凶(6%)にしてあります。

また、今回は電池駆動にしますので電源周辺回路にも工夫をします。具体的にはプッシュ式パワーONスイッチを導入し、電源OFFについては自動で行うようにします。これによって「ちきゅうにやさしい エコな電子工作」が実現しちゃうかも…?


まずはハード面(外部接続)の回路
こんな感じです

前回公開分はPICのピン番号が間違っていましてので、訂正しました。
すでに製作された方はご確認をお願いします。
 2010.10.31更新
目新しいところは、電源部分ですね。今回初めて乾電池(充電池)の登場です。それに、もう1つ革新的なのはなんといっても
電源スイッチです。簡単に済ませたいであれば、スライドスイッチやトグルスイッチを使えばよいのですが、あえてリレーを介した
電源スイッチ保持方式としました。「パワーONスイッチ」を押したら起動し、シーケンス回路の初期部分で自身の出力でリレーを
操(あやつ)り、自己保持で電源ON状態を維持させます。これによって、不要になれば自分でその出力を切れば電源も切れる
という「オートパワーOFF」機能を手に入れることができるのです。うまく動作していれば、不用意にスイッチに触れても自動で切
れるので、とっても気の利いた電子工作ですね。電池の消耗も抑えてエコでステキな作品に仕上がりそうな予感がします。


今回、特に頑張った箱です

今までの製作に比べて 一番原価と時間がかかった贅沢なアクリル工作です。
定番の縦六角形スタイル 緑のSWがパワーON用 中はまだ電池ボックスだけ 全長15センチ、直径9センチ
中のユニットを抜いたところ ユニットの電池ボックス側 棒検出はフォトリフレクタ こちら側に基板を実装予定

棒の検出部分は、マイクロスイッチを使ってもOKです。っていうかその方が回路が簡単ですよね。でも、何か部品箱の中にあった
反射型フォトリフレクタが、「使って〜」って思いっきりアピールしてた気がしたので、使ってみました。上記の回路図では、
マイクロスイッチを使う前提で書いたのですけど、リードスイッチも捨てがたいな〜みたいな揺れる気持ちの今日この頃。

反射タイプのフォトリフレクタを使った場合、棒検出部分のプルアップの抵抗値が10kΩでは小さすぎるので、もっと大きな
値にしないとPICの入力には使えませんでした。私は47kΩを使いましたが、フォトリフレクタの型番も分からないので
(秋月電子で購入した気がする)皆さんがご使用になる場合は、実際にテストして抵抗値を算出してみてください。



電子おみくじ 大・完・成

やっぱり透明アクリルだから、写真みてもわかんないですよねぇ。今流行のスケルトン(死語)なのに・・・

なんといっても
外形にこだわった一品です
本体を傾けて
棒が出るとこんな感じです
上部分です、緑の押ボタンが
電源スイッチ、左が棒の出口
内部は中央の板で仕切ってあり、
上が制御部分で下は電池と棒
制御部分の拡大です
簡単な部品配置です
単3アルカリ電池3本で
まかなっています
電源スイッチを少し長めに押すと
まず電源表示灯が点灯します
次に「準備完了」のLEDが
点灯します
本体を傾けて結果表示
やったー 小吉・・・


ここにシーケンス回路を用意しました。(ダウンロード後、解凍して下さい)


解凍後の手順はこちら


【遊び方】

1.電源スイッチを少々長めに押し続けます。耳を澄まして聞けば「カチッ」とリレーの動作音がして、ONになります。
電源が入ったことは、回路図中の電源表示灯(私は青色のLEDを使いました)の点灯で確認できます。
この間、思いっきり念じましょう(家内安全・交通安全・学業成就・商売繁盛・アクセス急増 何を念じても勝手ですけど・・・)

2.次に、「準備完了」のLEDが点灯するので、おみくじ本体を傾けると、棒が出たところで結果が表示されます。
棒が出たままだと、準備完了のLED(私は緑色のLEDを使いました)は点灯しないようになっています)

3.結果表示を見て、是非思いっきり盛り上がってください(これはおもちゃですから悪い結果も気にしないように!)

4.結果表示の状態で15秒経過すると、勝手に電源が切れます。 あったまいぃ〜。
電源スイッチ入れてそのまま放置していても電源が切れます。すっげ〜。
なんといってもエコな電子工作ですから


【まとめ】

いかがでしたか?ちょっと個人的に忙しかったので製作にずいぶん時間をかけちゃいましたが、その分
満足できるものに仕上がりました。皆さんもぜひ、斬新でステキな作品に仕上げてみてください。

文化祭のおまけにいかがですか?


続編は気長にお待ちください
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