信号機(番外)鉄道模型の信号を検討するの巻

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みなさんこんにちは。見習い講師の里枝です。今回は、鉄道模型の信号機の検討をしちゃいます。
調べてみると、本物の鉄道は信号で区切られた閉塞区間(へいそく くかん)という単位で制御していて、1つの閉塞区間には車両が1編成しか入らないという前提で、信号制御しているそうです。詳しく知りたい人は自分で調べてください。今回の実習では閉塞区間の信号制御と、簡易的なタイマーで模型に使える信号制御の2通りに対応した信号機をつくってみます。ちなみに私は鉄道模型を持っている訳じゃないので、作った信号機を眺めるだけです。

信号機をシーケンス制御する検討ですから、ポイントや列車の速度制御については全く考えません、さらっといきましょー。


閉塞区間の定義

という訳で次のように動作仕様を設定します。
ちなみに、ここでいう閉塞区間は、図の信号と信号の間を一つの単位にしておきますね。


まず、自分の進行先の閉塞区間に列車が全くいなければ、すべての信号が当然青「進行」になります


列車が進行し、信号を通過して次の閉塞区間に入ると、その閉塞区間手前の信号は赤「停止」になります


さらに列車が進行し、また次の閉塞区間に入ると、その閉塞区間手前の信号は赤「停止」で、もう一つ手前の信号は黄「注意」になります


そのまま列車が先に進み、さらに一つ先の閉塞区間に入ると、その手前の信号が一つずつずれていきます



本物の鉄道信号はもっと様々な要因で複雑な制御らしいですが、検討する実習ですからこんな仕様で実習を進めていきます。
線路脇の信号機を眺めていてもこれ以上分かんないのでOKにしときましょー。


シーケンス回路を、さくっと設計

上の絵から分ることは、線路に検知スイッチを用意して列車が通過した時に自己保持をONにさせ、先の区間に達したら自己保持回路をOFFさせればよいという単純な考えが浮かびます。この定義だけならとっても簡単そうですね。一応、今回は閉塞区間ごとにユニットを製作して、独立制御させることを前提に進めています。中央列車制御室みたいに一カ所での制御は、皆さんの宿題にしておきましょう。


ひと工夫を加えて・・・

鉄道模型に使う場合に規模によっては、閉塞区間ごとにスイッチを設けるける余裕がない場合も考えられますので、タイマーで勝手に進むことができるようにしました。それと、「レイアウトが変わるたびにタイマーの設定値をプログラミングで変更するのはちょっと勘弁して〜」という人向けに、1秒単位で、設定できる簡単な仕掛けも付けちゃいました。これでカンペキーって感じかな。
それよりも鉄道模型持ってないのになぜ作ったの?って聞かれるとビミョーに困っちゃうんですけどー、「制御実習室」っていうならもっと制御ものがあったほうがそれらしーって言う人がいるのでトライしちゃったという感じです。

+αの機能を付けたら、ややこしい回路になっちゃいました。詳しくはシーケンス回路をじっくり見てください!じっくり見なくても、シーケンス回路を解読できなくても、ちゃんと製作すれば動きますけどね。


信号機(番外編) 「鉄道模型用信号機の検討)の回路図 ※2010.08.04
毎度お馴染みPIC 16F84A周辺回路です

列車確認は通過型センサーやマイクロスイッチなど、各自で工夫してください。
動作テストするだけだったら、押してONになるスイッチなら何でもOK。
でも、「おとうさんスイッチ おじいちゃんも(可)」 は使えません。

**タイマー設定について ご注意**
手動/自動の設定切替は、電源ON時またはリセット時にスイッチの状態を読み込んでセットされますので、電源が入っている状態で変えても変更になりません。タイマー設定BCDスイッチの値が0(ゼロ)の場合は手動切替モード(タイマーは無効)となります。自動モードの設定時間は、赤になったあと黄になるまでの時間と、黄から青になるまでの時間は同じ時間でしか設定できません。よろしくー。


パッとしない正面からの眺め 期待通り味気の無い裏面 端子部分のアップです。
手前が電源コネクタ。

ケース底部のフタをはずしました。
ケースはテイシン電機のモールドケース(TB-72)を使っています。
写真では分かりにくいですが、ケース内左端の回転ツマミは
時間設定用です。フォトカプラは手持ちの都合でTLP-521の
4回路入りを使っていますが、2回路入りで充分です。

電源投入すると、最初は青を表示します。 スイッチ等で、列車確認情報をもらうと、赤表示に切替ります。 タイマーで設定した時間に達するか、進行先の赤信号情報をもらうと、黄に切替ります。 さらにその後タイマーで設定した時間に達するか、進行先の黄信号情報をもらうと、青に切替ります。



今回の動作テストのために、超ガンバって3台製作しちゃいました。こんなに作っても実際には使い道がないなんて、とっても無駄〜♪
1号機 2号機 3号機

2号機と3号機は簡単結線できるように接続部分は3.5mmステレオジャック仕様です



制御装置を連結する場合の入出力部分


制御装置どうしをつなげる部分は上の図のようになっています。Y13とY14につながっているフォトカプラを介して一つ手前の閉塞区間に対して、赤→黄や黄→青の制御を渡しています。本当はリレーを使うといろいろ便利でしょうけど、せっかく気に入って買ったケースの中に入らないんじゃ困るので、ここは「ケース-バイ-ケース」ということで、超〜寒いギャグを飛ばして箱優先設計です。Y13(Y14)がONになるとフォトカプラ内のLEDが光り、その光で同じく内臓のフォトトランジスタがONになってX16(X17)がLowレベルになることにより、入力信号がPICに伝わります。(連枝の入力はLowレベルでONです)


実際の設置例です


実際の設置については、列車の先頭が信号を通過した場所に、列車検知スイッチを配置し、制御装置に知らせます。制御装置からの出力を、手前の信号制御装置の入力に入れることによって、情報の受け渡しを行います。

なんかややこしい!という人は、最初っから16F877などの40ピンPICにして、まとめて面倒見ちゃえ〜でも良いでしょう。16F877等の連枝ライブラリは別途有償でお買い求め下さい。プログラムは自由研究ってことにしておきましょう。

信号が変わるときに、パッと変わるんじゃなくて、一瞬消えてからつながると臨場感がでるようなのでプログラム上で遅延をかけています
遅延設定は0.3秒にしてありますが各自で調整して臨場感バリバリにしてアイツに差をつけちゃえ〜って感じかな。



2012.04.08 改良シーケンス回路(ファイル名が signal06V2C)に、不具合がありましたので、訂正しました
連枝の現行バージョン(8.05)対応 「sig06V3」 (都合により信号切替時の遅延省略版)を用意しましたので
どうぞお持ち帰りください。 zipファイルになっていますのでダウンロード後、解凍してからご使用ください。


なお、旧バージョン仕様(信号切替時の遅延付)をご希望の方は、メールにてお知らせください。

解凍先は、カナや漢字の名前のディレクトリ配下には置かないで下さい。(デスクトップ上は不可です)
解凍すると連枝のMBSファイルが生成されます。連枝でコンパイルして16F84AのHEXファイルを作成し、PICライターでPICに焼いて下さい。

続編は気長にお待ちください

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