信号機(7e)交差点信号機(歩行者用信号つき)豪華仕様
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みなさんこんにちは。見習い講師の里枝です。今回は、「基本交差点信号機(歩行者用信号機つき)フル装備」を製作しちゃいます。点滅式から、通常の交差点信号、夜間点滅モード付きと段々とグレードアップしてきましたが、ついに歩行者用信号機まで付けちゃいます。PLC(シーケンサ)実習でおなじみの課題ですが、PICベースですのでとても安価に製作できます。出力を改変して豆電球などにすれば、もっとBIGに楽しめそうです。

さくっと仕様を決めます

まず出力に使う端子の数を決めます。
車両用信号機は東西および南北で2機が1組になっています。1組あたりでは青・黄・赤の3点使いますので2組で計6本(LEDは12個)必要です。
歩行者用は4機で1組になり、1組あたりでは青・赤の2点使いますので計4本(LEDは16個)で、合計10本の出力を使います。
下の絵と表も見てくださいね。


歩行者用信号機は上下で赤・青になっていますが、この図では数えやすいように並べて書いています。

出力ポートとLEDの関連図
出力先 車両用 歩行者用
A機 B機 C機 D機 A機 B機 C機 D機
南北 東西 南北 東西 南北 東西 南北 東西
Y10
Y11
Y12
Y13
Y14
Y15
Y16
Y17
Y00
Y01


「まだ出力に空きがあるから矢印信号も付けてよ」って思っている君!甘いです。ここまで来れば矢印はタイマー追加で簡単にできちゃうから、いかにも手抜きっぽいですよね。気づいている人も多いと思うけど、今まででてきたシーケンス回路って正直言ってタイマー並べただけで中身は同じ回路の繰り返し、カウンターすら使ってないんですよ。ここはやっぱり企画で勝負しないと、本当は私が初心者だってことが、みんなにバレちゃいますからねっ。ないしょですよ。
余った3本のポートは入力用として使い道を用意してあるから、期待半分で待ってて下さい。
どうしても矢印信号の好きな方は自分で改造しちゃいましょう!でも回路上の注意点があるので下までよく読んでくださいね。


動作のパターンを決めます

といっても前作と基本は一緒で、ただ、歩行者用の分だけタイマーが増える程度なので省略します。


信号機の基本3 「基本交差点信号機(深夜点滅モードつき)


※記事の通り製作するのであれば問題ありませんが、ご自身で矢印信号対応に改造する場合(赤と矢印)というように、1機あたり2個のLEDが同時に点灯することになる場合は、例えば矢印信号用に電流制限抵抗を別途つける必要がでてくるんです。そうしないと片方のLEDしか点灯しないということもありますから、気をつけてくださいね。また、当然ですけど使用するLEDによってこの抵抗値が変わります。

※当初発表した回路を一部変更しました。最初は歩行者用信号機からフォトカプラへの出力を取っていたのですが、歩行者用信号機が点滅動作に入ったときに出力が一定しないので、車両用信号機の出力から取るように変更しました。 2009.08.30

※外部タイマー出力回路の記述に漏れがありましたので修正しました。 2010.10.15

ここにシーケンス回路を用意しました。
どうぞお持ち帰り下さい(ダウンロード後、解凍して下さい)

※外部タイマーの導入にあわせて、歩行者用信号の動作タイミングを修正しました 2009.08.30 更新

解凍すると連枝のMBSファイルが生成されます。連枝でコンパイルして16F84AのHEXファイルを作成し、PICライターでPICに焼いて下さい。

製作レポート
完成した全体像です。以前の作品よりも、豪華な仕様です 基板の様子。手前が制御基板、LEDの電流制限用抵抗は奥の平ラグ板に集約して設置しました 外部コネクタ部分のアップです。左から、夜間切替,外部インターフェース,電源コネクタです 信号機裏側の配線の様子です。配線の量が増えたので、色分けしないと後が大変です
電流制限抵抗部分です。今回はLEDが明るすぎたので、現物に合わせて1kΩ※にしました これが、夜間モードに切り替えるスイッチボックスです。3.5mmのミニプラグを介し本体と接続します スイッチボックスの中身は、期待に反してとっても単純。以前の交差点用信号機にも使えます 電源を入れると、鮮やかに動作します
※今回使用したLED、緑:OSPG5161P,黄:OSYL5161P,赤:OSHR5161P
これでも明るすぎる方はお好みでもっと抵抗値を大きくしても良いでしょう。


今回の目的その2(外部制御)

せっかくここまで完成したので、外部制御を本格的に考えます。上記掲載のシーケンス回路では、初期設定値が歩行者用信号については南北で20秒、東西では15秒の設定になっていて、その秒数以内に外部から(X03,X04の)入力が継続して1秒以上あれば、次の動作に信号を進めることができます。しかし外部から制御するのであれば、もう少し時間制御幅を広げるように工夫します。前提として、外部入力が限られているので、これを実現するために簡易的なやり取りのルールを決めます。

1.電源投入直後に夜間設定スイッチの状態を確認し、夜間設定スイッチがONの場合は外部からのタイマーで歩行者用信号の青タイミングを決定するようにします。この確認は、連枝の電源投入時の1スキャンのみONになる特殊リレーを使用します。
注意点はこの後、夜間モードをOFFにしないと、1工程終了後にそのまま夜間モードに入ってしまいます。
2.外部タイマーは各自で自由に作ることができるように簡単なONとOFFだけの情報を伝えるようにします。タイマーは起動と完了の信号さえ出すだけでOKなので、皆さんで考えてみてください。
3.タイマーの時間設定はDIP-SWによって行いますが、全部2進数にしてしまうと、いちいち計算するのが大変なので、4桁ごとに区切って設定できるようにしました。各スイッチの時間割付については次のようになっています

 X17・X27

 X16・X26

 X15・X25

 X14・X24 

 X13・X23 

 X12・X22 

 X11・X21 

 X10・X20 

 80秒

 40秒

 20秒

 10秒

 8秒

 4秒

 2秒

 1秒


設定例:99秒に設定する場合、80秒+10秒+8秒+1秒=99秒

 X17・X27

 X16・X26

 X15・X25

X14・X24  

 X13・X23 

 X12・X22 

 X11・X21 

 X10・X20 

ON(80秒)

OFF 

OFF 

ON(10秒) 

ON(8秒) 

OFF 

OFF 

ON(1秒) 


各秒数を決定するスイッチをONさせることにより、その合計秒がタイマー設定になります。


と・・・いうことで、外部タイマーの使用が決定しましたので、回路図を公開します。

信号機の外部時間制御タイマーの回路




今回は、ケースの都合で16F886を使用しました。連枝のオプションライブラリー(有償)は16F887用を使用すればOKです。
16F887用は16F886にも使用できます。また16F877用をお持ちの方は 16F873  ← 16F876にも使用できるので、お好みの環境でCPUを設定してください。

どうしても16F84Aで組みたい方は、タイマーのAとBを分割して2台で製作すればOKですが、使用できる内部タイマーの数で制約が出てきてしまうので、その場合は80秒の設定回路を外すことになると思います。このあたりは各自で工夫してみてください。

ここに外部タイマーのシーケンス(16F886用)回路を用意しました。
どうぞお持ち帰り下さい(ダウンロード後、解凍して下さい)



製作レポート

いつもの黒いケースに入れました。黒いケースに白の文字が映えますね 電源は本体から取っても良かったのですが、別に設けました。右の線は信号機との接続用 タイマー設定用のディップスイッチです。AとBそれぞれ独立して設定できます 本体との接続はマウスやキーボードに使われているプラグを使用しました

中の基板の様子です。16F886を使用した場合、内蔵のリセットとクロックが使えるので外付け部品が少なくてすみます ケース内部の様子です。一旦、平ラグ板の端子台を経由しています。こうすると実装とチェックが容易です 信号機側の外部インターフェース部分です。左から(夜間切替・外部タイマー・電源)が接続されています タイマーが動作している様子です。タイマーカウント中は点滅し、タイムアップになると点灯に変わります





続きは気長にお待ちください
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