リレーシーケンス回路
99カウンター
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キッチンタイマーの応用
HPをご覧になられた方から、7セグメントLEDを複数桁でダイナミック点灯することについてお問い合わせいただきました。16F877を使える環境であり、表示桁数が少なかったので、スタティック方式での提案と、カウンタ部のシーケンス回路はキッチンタイマーの流用ということで返信したのですが、表示部分だけちょっと工夫すれば実現できることが分かったので思い切ってやってみました。
あくまでもシーケンス回路で駆動するという一提案です。工場などの現場でこのような使い方はしないと思います。
用途によりますが、多分PLCの外部に表示機やカウンター等のユニットを設置することになるでしょう。


題して「99カウンター」
タイマーのカウント部分をスイッチにしただけの気軽さがポイントです。
しかも基本のカウント部分は、キッチンタイマーをそのまま使っています。2桁になるのでそのまま回路を増やして桁上がり信号部分を追加しただけです。

シーケンス回路のシュミレーションを「連枝」で行うまでは、順調に進みました。ところが、HEXファイルに変換できないのです。
理由はすぐにわかりました。16F84のメモリー(1KB)では足りないのです。I/Oは13点で抑えたのに残念です。
そこで、悩んだ末思い切って「連枝」のPIC16F877(876)用変換ライブラリーを購入することにしました。

この製作例をご自身でお試しになられる方は、連枝のPIC16F877(876)用変換ライブラリー(有料)が別途必要ですのでお気をつけ下さい。
でも、いいですね16F877ならI/Oは33点もとれるし、16F84に比べてメモリーもいっぱいあって、その割に安い。工作範囲がぐっと広がりそうな予感です。
その昔、現場でシーケンス制御を覚えはじめのころ、だんだんと複雑な機械を手がけるようになって、その都度シーケンサをランクアップしていった頃の喜びが甦ってきたみたいです。いまのところ16F877の難点は、「でっかい」というところでしょうか(ICソケットの抜き差しが面倒)


おいさらい「スタティック方式とダイナミック方式」
複数桁の表示を行うためには、スタティック表示とダイナミック表示の2種類がありますが、簡単に内容のおさらいをしてみましょう。

スタティック表示方式
表示する桁の数だけBCDから7セグメントへのデコーダー&表示ドライバーの一式があるのが、スタティック方式。回路設計は簡単だけど、桁数に応じて部品点数が増える。一度に点灯するセグメントが多いので消費電力が多い。

ダイナミック表示方式
BCDから7セグメントへのデコーダー&表示ドライバーが1個で、表示桁を時系列で切り替えて表示する。桁数が増えても部品点数は、少なめだけど、表示部分の設計が面倒です。多数桁用および専用のICなどを利用することもあります。


次に動作パターンを設計します
最初は0(表示上は00)を表示していますが、カウント入力があれば1→2→3→・・・と99までカウントします。
99の次は再び0(00)になります。基本のカウンターだけですので何も芸はありません。
隠れ機能はあとで考えましょう。


今回も単独で動く仕様で公開します

ハード結線図(暫定公開です。まだ変更する可能性があります)

出力はBCDの4点と表示桁切り替えの4点で計8点で考えました。99カウンターの4桁表示への拡張を前提とした設計です。
2桁で充分な場合は右側2桁分だけ配線すれば結構です。
BCD-7セグメントデコーダーに74HC4511を使う関係上、LEDはカソードコモンのものを使います。1桁表示の7セグメントLEDを
4つ並べてもよいのですが、全部の桁を配線するのが面倒だったので、手持ちの4桁表示7セグメントLEDを使いました。
部品箱の中に転がっていたTLR4125ですが相当古いもので、すでに販売されていないと思います。製作例を参考に
組み立てられる方は、現行品の入手可能なカソードコモンでの7セグメントLEDでの製作で結構です。
16F877ですので、BCD−7セグメントのデコーダーも任せてしまおうかと考えましたが、他のPIC(16F84以外でメモリー容量のあるもの)
で使うかもしれないので、そのままにしておきました。
当たり前のことですが、高速で表示を切り替えるので、出力にリレーは使いません。
入力には単純なスイッチをつけてあります。ここも今後拡張できるように余地をのこしてあります。
スイッチのチャタリングで必要以上にカウントする場合は回路で工夫が必要かもしれません。
タイマーへの応用する方は、より精度の高い20MHzの水晶を使うと良でしょう。水晶発振部分の回路はステキPLCの回路をご参照ください。

シーケンス回路は動作確認後公開します


まだまだつづきますよ。
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