自習時間
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入力に使用したB接点スイッチの考察
自己保持回路については、別に記述していますが、この自己保持回路をリセットする押しボタンのB接点について考えます。
リレーでの基本的な自己保持回路
X00を押すと起動がかかる。X03を押すと停止。
PLC上で組んだ場合はこうなります。

図1

図2
実はこの回路、X03の記述のしかたが異なりますがスイッチは同じB接点のものを使い、同じ動作の回路です。
リレーで組む場合は、左の回路でよいのですが、なぜPLC上ではX03がA接点なのでしょうか???


まず、この接点(X03)の動作条件を考えてみましょう
図1を見ながら考えてください。
X03は普段導通(ON)しているので、自己保持の条件が整います。
しかし、スイッチが押されると、X03はOFFになるので、自己保持の
回路は切断(停止指令)されます。
X03がONの時 自己保持できる
OFFの時 自己保持解除
今度は図2を見て考えましょう。
X03が導通している時は自己保持条件が整います。
X03が切断されると、自己保持の回路が切断(停止指令)されます。
図1の説明と表現は違っていても、接点X03のON/OFFという条件
だけで考えれば図1と同じ意味になります。
X03がONの時 自己保持できる
OFFの時 自己保持解除
回路の動作条件(ON/OFF条件)で追っていけば、図1・図2どちらも同じですね


次にハード面から動作を考えてみましょう
B接点のスイッチは、B接点の動作そのままPLCに接続されています

図3
X03は「普段はON、スイッチが押されるとOFF」になっていますよね
X03はB接点のスイッチであり、動作もB接点のスイッチとして動いています


答えは、PLC上での考え方にあります
A接点で記述する場合
対象となる接点のON/OFFを そのまま 取り込む
←この考え方がポイントです!
B接点で記述する場合
対象となる接点のON/OFFを 反転して 取り込む


シーケンス回路の記述としてはX03はスイッチですので、そのまま記号で表現します。
※PLCによってはスイッチであっても、リレーと同じ通常の接点の記号で記述する場合があります。
PLCにおけるシーケンス回路上でのA接点 対象となる接点のON/OFFそのまま
PLCにおけるシーケンス回路上でのB接点 対象となる接点のON/OFFを反転


接続されているのスイッチ(X03: B接点 )の、ON/OFFをそのまま生かすので
A接点で記述

ですから、このような場合にはA接点の記述で正しいという結論なのです
もし、これをB接点で記述すると、ON/OFFが反転されてしまうので正しく動作しない回路になってしまいますよね


それでもスッキリしない人には・・・
B接点を使う場面は、起動・停止(緊急停止)等に関わるフェイルセーフ回路が
ほとんどなので、PLCの外でリレーで組んで、「自己保持条件」という形で
PLCの入力に入れる
図面のX03のコメントに(B接点)と付け加えておく
しかし、
現場の図面では、シーケンス回路だけで記述されているのではなく、PLCに対しての入出力配線図も
セットになっています。ですから、まず現場技術者は入出力回路を確認した後にシーケンス回路を読む
というのが鉄則です。この時点でB接点のスイッチ使用が確認できますから、それを念頭に置き回路を
追っかけていけば、問題解決も素早く行えるのです。